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今回は、続々と増えてきている個人事業主やフリーランスについて、「開業時に必要な事」をテーマにまとめてみました。
まずは、「個人事業主になったら、何をすればいいのか?」
勇気ある、初めの一歩を応援したい。
そんな思いで、とにかくこれをしておけば大丈夫!という内容を解説させて頂きます。
新しいスタートは誰しも緊張するものですが、少しでもその後押しになれば嬉しいです。
目次
個人事業主・フリーランスとは
個人事業主とフリーランス、似ている言葉ですが、多少の違いがあるので確認しておきましょう。
「フリーランス」はあくまで「働き方」のことを指します。
会社などの組織に所属せず、仕事に応じて自由に契約を行い働く、その働き方自体を言います。
中世のイタリア、フランス。傭兵という、報酬ごとに仕事をしていた騎士に由来しているそうです。
free=拘束されていない、 lance=槍の一種。これがフリーランスの語源です。
では個人事業主とは何か?
一般的には、法人ではなく個人で、独立して仕事を受けている場合には個人事業主と言われます。
社内の従業員の様な「雇用契約」ではなく、社外の者として外注や業務委託として仕事を受け、報酬を貰います。
この働き方をした瞬間から「個人事業主」と呼ばれます。
フリーランスの働き方も、法人でなければ個人事業主に分類されますが、
個人事業主の中には完全にフリー(自由)ではなく、1社専属で授業員の様な働き方をされている場合も多く存在します。
■フリーランスは、仕事に応じて自由に契約を行い働く、その働き方の事
■個人事業主は、社外の外注や業務委託として仕事を受け、報酬を貰う事
※個人のフリーランスは個人事業主に該当
まずは税務署に開業届を出そう
開業後1ヶ月以内に税務署
自分で事業を始めたら(=開業したら)、1か月以内に「開業届」を出すことが義務付けられています。
義務、とは言っても出さないことに対する罰則は無いので、出していない方も多いのが実情ですが、出していない場合にも個人事業主となります。
正式には「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」、税務署での手続きが必要です。
書式は国税庁HPよりダウンロードできるので、事前に印刷し記載しておきましょう。
・提出先:納税地を所轄する税務署長
・提出法:作成後、持参または郵送で提出
・手数料:不要
・必要書類:本人確認書類の提示または添付(マイナンバーを記載した申請書を提出する場合)
この開業届は、提出用と控え用で2部作成しておきましょう。
税務署の押印をもらった控え用の開業届は「事業を営んでいる証明書」となります。
金融機関などで、事業用の口座を作る際や融資を受ける際にも役立つため、とても大事な書類です。
開業届に記載する主な項目
印刷ができたら、書類を埋めていくだけです。
詳しくは別記事にて記載しますが、おおまかに内容を抜粋しました。
個人情報:氏名、生年月日、個人番号(マイナンバー)、(現在の)職業
事業について:屋号(会社名のようなもの)、開業日、事業の概要
その他: 青色申告の承認申請の有無、給与等を支払う人数など
青色申告承認申請書を出そう
開業後2ヶ月以内に提出
開業届にも「青色申告の承認申請の有無」というチェック欄がありましたね。
開業届と共に提出したいのがこの青色申告です。
初めて個人事業主になった場合は開業から2ヶ月以内が提出期限です。
書類は国税庁HPよりダウンロードできます。
白色申告と青色申告の違い
個人事業主になる時によく聞かれるのが、「白色」と「青色」の違いです。
白色申告は、帳簿も簡易的で付けやすいというメリットがあります。
一方、青色申告は、帳簿も初心者からすると難く、簿記の知識が必要なのでデメリットにも感じられます。
しかし青色申告の大きなメリットは、最大55万円の特別控除などが受けられること。
白色の場合はこの控除の優遇はありません。
また、赤字の繰り越しが3年できること。
これによって一時的な赤字が繰り越され、3年の間は黒字が出ても相殺されカバーできる可能性があります。
特に、個人事業主になると、初年度は収入が不安定になりやすいもの。
必要な時、しっかりと控除が得られる用意をしておきましょう。
また、事業に必要な経費は申告することで、所得の減額をし、納税額を減らすことができます。
帳簿をつけたり、開業時に申告しておくなどの多少の面倒さはあっても、青色申告をしておく方が良いでしょう。
青色申告に記載する主な項目
これも簡単に、内容を以下に抜粋しておきます。
個人情報:氏名、生年月日、(現在の)職業、屋号など
その他 :申告を開始したい年度、所得の種類、相続による事業継承の有無
前職が会社員の場合、国民健康保険と国民年金に加入する
退職後14日以内の手続きを
これまで会社員だった場合、各種保険は会社が給与から天引きしてくれていました。
今後は自分で手続きし、支払う義務があります。
社会保険は国民健康保険に、厚生年金は国民年金への加入手続きをしましょう。
注意したいのは、厚生年金から国民年金へ変わることで、将来受給される年金額は減ってしまうこと。
その点は個人型確定拠出年金など、個人事業主向けの年金制度が増えています。
個人事業主になってからで良いので、対策もしていきたいところです。
20日以内で、会社の健康保険が最長2年継続可
社会保険は、退職日から20日以内の手続きによって、最長2年の任意継続が可能です。
いずれは国民健康保険に加入することになりますが、社会保険の方が保険料が安い場合は手続きしておきましょう!
不安定な個人事業主の場合、こういった少しの工夫がとても大事になってきます。
会社員の間に、自分がどのくらいの保険料を支払っていたのか、確認するのも必要ですね。
個人事業主が用意したいもの
事業用の印鑑
全てにおいて言えることですが、事業と個人で使用するものは分けて用意しておいた方がいいでしょう。
印鑑は、認印(正式書類に使用できる)とシャチハタ(スタンプ式)の2つあると便利です。
事業拡大によって作成される書類も増えるかと思いますから、最初から区別しておくと混乱せずに済みます。
手続き関連は、後になって変更する方が面倒になりますよ。
屋号付きの銀行口座
「屋号」というのは、会社名のようなものです。
屋号はなくても構いませんが、作っておけば、屋号を含めた銀行口座を作ることができます。
特に取引先や顧客から見て、振込の際に個人名義に入金するのはちょっとはばかられるもの。事業の名前があれば、安心して取引してもらえる場合も多いです。
また、個人用と事業用口座は分けて用意することで、各出費が経費なのかプライベートなのか、簡単に分けられます。
確定申告などで経費計算などをする時にも、後々便利になりますね。
屋号付きの口座を開設するためには、上記で説明した「開業届」の屋号の箇所に記入を行い、控えを持って銀行に行きましょう。
事業用のクレジットカード
事業用のクレジットカードは事業を始める前から用意し、個人用と事業用で分けるのが理想です。
一般的に個人事業主になって1年目は、社会的信用が得られにくい事が多く、ローンが組みにくいなどの問題が生じます。
しかし昨今では、事業クレジットカード作成のハードルは低く、年会費無料のカード
も存在しますので、作成する事がおすすめです。
確定申告の準備をする
副業の場合20万円以上の人のみ、青色申告したら必須!
通常会社員であれば、年末に会社が「年末調整」をし、税金の計算をしてくれます。
ただし個人事業主は、これも自分でやらないといけません。これが「確定申告」です。
所得に対して、納める税金額が変わってくるので、確定申告がある時期に慌てることがないよう、準備しておきましょう。
確定申告は、翌年の2月16日から3月15日までに行います。
通常、副業として個人事業主をしている場合、20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。
個人事業主として青色申告している場合は、必ず申告が必要です。
例え赤字であっても申告し、青色申告の説明時にも記載した通り、赤字は3年繰り越す事が可能です。
また、所得に応じて税金の負担額は変わります。
「収入ー経費=所得」ですから、経費をしっかり差し引いて所得を出しておくことで、節税にもなりますよ。
経費だけでなく、その年に支払った生命保険料や、医療費、ふるさと納税(ワンストップ特例制度なら不要)も確定申告できます。
前職が会社員なら、辞める前に源泉徴収票の用意をする
前職が会社員だった場合、つまり事業1年目の申告で必要なのが源泉徴収票です。
通常は年末調整の時にもらうものですが、退職後はそうもいきません。
源泉徴収票は会社が退職後に発行してくれるため、通常は郵送などで送ってくれるはずです。
ただ、一部の会社では、自分で会社に伝えないと、ちゃんと用意をしてくれない可能性もあります。
中小企業など、担当部署が明確になっていない場合に起こりやすいかと思います。
辞めてから何ヶ月も経ってから、元会社に連絡、というのは難しいこともありますよね。
なので退職前に、源泉徴収票をもらえるように、担当者に確認しておきましょう!
事業経費の領収書の用意
晴れて個人事業主になったら、そうです!経費が使えます。
この経費管理がとても大事です。
「収入ー経費=所得」
収入が高くなれば、その分かかる税金は高くなってしまいます。
ただし必要経費を差し引いて、最低限の所得に抑えることで、節税対策ができますね。
経費利用した証明として、領収書などは保管をしておきましょう。
事業に必要な購入したもの、打ち合わせ等で使用した喫茶店代、ネットにて注文したものなど。
移動で使った電車、タクシー、バスや有料道路の料金。出張などがある場合、その宿泊費も当てはまります。
インターネット料金や商品の配送料、接待交際費や取引先への贈答などなど。
あとでまとめてやろうとして、確定申告時期に大変になるのは避けたいところです。
どのくらい支出をしているのか把握をするためにも、開業したらすぐにまとめておきましょう。
まとめ
個人事業主になるには、あれもこれもやらないと、と気持ちが焦ってしまうかもしれません。
まずは下記の5点から進めてみてください!
・青色申告をする
・国民健康保険と国民年金の加入
・個人事業主が必要なものの準備
・確定申告の用意
何かと忙しい個人事業主ですが、書類は後回しにすることで後々面倒なことになる事もあります。
むしろ、最低限の申告をすることで、特別優遇などの恩恵が受けられますよ。
個人事業主として、新しい一歩を快適に進むために、この記事が参考になれば幸いです。
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